長茎手術

陰茎堤靭帯という陰茎を支えている靭帯が緩むことがあります。靭帯が緩むと腹圧により陰茎が下腹部に引き込まれるようになり、陰茎が短く、見栄えが悪くなります。このような状態を埋没陰茎と言いますが、この状態を改善するためには、長茎手術で陰茎堤靭帯を補強する必要があります。長茎手術により陰茎は長くなり、見栄えが良くなります。短小の方に喜ばれています。

埋没陰茎の分類

体の中に陰茎が引き込まれる埋没陰茎は、以下の2つのタイプに分類されます。一つ目は生まれつき靭帯が緩んでいる先天的埋没陰茎です。小さいころから陰茎が短く、短小で悩んでいる場合もあります。もう一つは、老化や肥満に伴って靭帯が緩む後天的埋没陰茎です。年齢や体重増加に伴い徐々に、短小が気になってきます。中年以後になって短小が気になるようになることもあります。どちらのタイプにおいても、長茎手術が有効ですが、先天的埋没陰茎の方が、埋没症状が強い傾向があります。

埋没陰茎による美容的デメリット

堤靭帯が緩むことにより、陰茎が下腹部に埋まるために、陰茎が短くなったり、見えなくなったりします。包皮が亀頭を覆うために、美容的問題のほかに、衛生上の問題が生じます。このように状態には、弛んだ陰茎堤靭帯を補強し陰茎を引き出す手術、長茎手術が効果的です。

長茎手術の分類

長茎手術には、メスを使わない非切開式と、皮膚切開を行う切開式の長茎手術があります。状態や希望などを総合的に判断して、どちらの長茎手術を行うか決定しています。

切らない長茎手術

陰茎根部に埋没縫合により陰茎堤靭帯を吊り上げる方法を埋没式長茎手術と言います。メスを使わない手術ですので、通称「切らない長茎手術」と言われています。手術時間は数分です。切らない長茎手術だけを行ったのであれば1週間程度で性交渉が可能になります。メスを使わないためにダウンタイムが短いのが利点です。切らない長茎手術は、簡単でダウンタイムが短いことが特徴ですが、長茎効果は、切開式長茎効果に及びません。できるだけ伸ばしたいという方には、切開式長茎手術をお勧めしています。

切らない長茎手術の手術手順

  • 陰茎根部を消毒して局所麻酔をします。
  • 特殊な糸により陰茎堤靭帯を釣り上げて固定します。
  • 数分で手術は終了します。
  • 1回で治療は終了し、原則的に通院はありません。

切開式長茎手術

陰茎根部に切開を加え、陰茎堤靭帯を吊り上げ補強する方法を、切開式長茎手術と言います。メスを使い皮膚切開を伴いますので、切らない長茎手術と比較すると、ダウンタイムがやや長くなります。しかし陰茎堤靭帯の吊り上げ効果が強くなりますので、切開式のほうが、長茎効果は勝ります。切開法は非切開法と比較して、手術の難易度が高くなります。

切開式長茎手術の手術

  • 陰茎根部を麻酔し、切開を加えます。
  • 正中に陰茎堤靭帯が見えます。
  • 陰茎堤靭帯を周囲組織から剥離して引き上げやすいようにします。
  • 靭帯に糸をかけて情報に引き出して固定します。
  • 切開部の皮膚を縫合します。
  • 傷は陰毛に隠れますので目立ちません。
  • 手術時間は手慣れた先生に行ってもらえば20分程度です。切らない長茎に比べれば時間がかかりますが、さほど長時間というわけではありません。

包茎手術、長茎手術

術前

術直後


40歳、既婚。長茎手術、短小、包皮切除

症例経過:もともと短小包茎が気になっていた症例です。しかし手術に踏み切る勇気がなくそのままにしていましたが、子供が大きくなってきて、一緒にお風呂に入った時に体裁が悪いので、思い切って長茎手術、包皮切除を決心されたようです。診察したところ、陰部が下腹部に埋没して、強度埋没の状態でした。長茎手術と包皮切除を行いました。美容的に改善し、子供の前でも堂々とできると、喜んでいただけました。

症例解説:子供が大きくなってきたので、短小を治したいという方はとても多いようです。短小だと体裁が悪く、親の威厳を保たないといわれます。長茎手術はクリニックにより手術をやっていなかったり、引き出す範囲が狭かったりする場合があります。長茎手術を望んでクリニックを受診しても、「症状が強くないので長茎手術する必要はありません。」と断られたり、「長茎手術をするならほかの手術のほうが効果あります。」と違う手術を勧められたりすることもあります。長茎手術を成功させるためには、情報収集が重要になります。長茎手術は、術後、陰茎根部が引きつることがあります。また細菌感染や、術後出血を合併するリスクやデメリットが認められることがあります。手術する前に、納得するまで説明を受けて、手術に臨んでください。